「つみたてNISA(積立NISA)」の対象となる投資信託が100本以上もあるなか、「どれを選べばよいのかわからない……」「おすすめ商品はないの?」と悩む人は多いはず。そこで、たあんと編集部では、人気ファイナンシャルプランナー(FP)に直談判。「私ならこれを選ぶ!」というおすすめ投資信託を紹介してもらいました。
最終回となる今回、ご執筆いただいたのはファイナンシャルプランナーの工藤崇さん。ロボアド(ロボットアドバイザー)による投資やAI(人工知能)、フィンテックに詳しい人気FPがおすすめする、つみたてNISA(積立NISA)商品とは?
※2024年からの「新NISA」をどこで始めるべきかお悩みの方は、【2023年】新NISAおすすめ口座5選【証券会社・銀行を比較】もあわせてご覧ください。
多くの初心者から「商品の違いがよく分からない……」との声が
つみたてNISAの商品を選ぶにあたって、投資初心者の方から「商品の違いがよくわからない……」という声がかなり多いです。そんな方に向けて「商品選びの際にこれだけは押さえてほしい」というポイントが2つあります。
1つ目が「国内株式と外国株式の分散投資を行うこと」、2つ目が「純資産残高が大きい商品を選ぶこと」です。その観点から、私は次の3本の投資信託をおすすめしたいと思います。
なぜ「国内株式と外国株式の分散投資を行うこと」「純資産残高が大きい商品を選ぶこと」の2点が、大事なポイントになるのか? やさしく、分かりやすく解説していきましょう。
ポイント1国内株式と外国株式の分散投資で大きな損失を防ぐ!
つみたてNISAの対象となるすべての商品には、必ず「株式」が組み込まれています。どうせ株式に投資するのであれば、うまく活用して運用成果を上げていきたいものです。そこでおすすめしたいのが、「国内の株式だけでなく、外国の株式にも分散投資する」ということです。
同じ株式といっても、国内株式と外国株式とでは値動きは異なることがあります。国内オンリー、外国オンリーで集中投資するよりも、分散してどちらにも投資するほうが、大きな値下がりを防ぐ効果が期待できます。また、外国株式の中でも、経済的に成熟した先進国だけではなく、これから高い経済成長が見込める新興国にも投資することで、その“果実”を投資信託の運用成果として受け取ることが可能となります。
国内株式と外国株式の配分比率ですが、まずはシンプルに「50%:50%」で始めてみてはいかがでしょうか。
国内株式では、TOPIX(東証株価指数)という株価指数の値動きに連動する「eMAXIS TOPIXインデックス」を50%に、外国株式では、新興国株式に投資する「eMAXIS 新興国株式インデックス」に30%、先進国(日本を除く)株式に投資する「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」に20%にしてみました。
※( )内の金額は、1ヵ月のトータルの積立額を3万円とした場合の金額。
外国株式の中では、値動きが激しい(値上がり・値下がりの幅が大きい)アジア諸国を中心とする新興国株式の比率を高めにしました。これにより、分散投資によるリスク低減を図りつつ、新興国の成長がもたらす大きなリターンの獲得も目指そうというわけです。
ポイント2純資産残高が大きい商品は運用成績が好調!
もう1つの大事なポイントが、「純資産残高が大きいか」ということです。
投資信託の規模を示す純資産残高が大きいほど、その投資信託の購入者や金額が増えていて、投資信託自体の運用成績も好調であることを示します。つまり、投資信託の運用会社としても、その分、余裕を持った安定的な運用が行えるようになるわけです。
今回おすすめする投資信託はすべて、純資産総額が100億円台以上と安心してよい金額が集まっているといえます。
- eMAXIS TOPIXインデックス:218億円
- eMAXIS 新興国株式インデックス:348億円
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド:753億円
以上、「国内株式と外国株式の分散投資を行うこと」「純資産残高が大きい商品を選ぶこと」という2つのポイントから、3本のつみたてNISAおすすめ商品をご紹介しました。この他にも、「投資信託を保有中にかかる信託報酬が低いこと」「売却時の手数料が無料であること」なども注目してほしいポイントになりますが、ここで解説した2つのポイントは特に留意しましょう。
今回、取り上げた3本の投資信託すべてを取り扱っている金融機関は以下のとおりです。
つみたてNISAは金融機関ごとに取り扱う商品が異なります。金融機関選びを間違えると、これらの商品が買えなくなるので注意しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※各投資信託の純資産総額は2018年2月9日時点の数値です。
※投資にはリスクを伴います。投資に関する最終的な判断はご自身の責任でお願いいたします。
今回、執筆いただいたのは
ファイナンシャルプランナー・工藤崇さん
FP-MYS代表取締役社長CEO、ファイナンシャルプランナー(AFP)
FP(ファイナンシャルプランニング)を通じ、Fintech(フィンテック)領域のリテラシーを向上させたい個人や、FP領域を活用してFintechビジネスを検討する法人のアドバイザーやプロダクト支援に携わる。Fintechベンチャー集積拠点FINOLAB(フィノラボ)入居。執筆実績多数。
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