始める前に知っておきたい、iDeCo(イデコ)3つのデメリット

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2017.01.18

iDeCo(イデコ)

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始める前に知っておきたい、iDeCo(イデコ)3つのデメリット

さまざまな税制優遇が魅力の個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」。2017年1月から加入資格が拡大され、あらゆるメディアで話題になっていますが、当然この制度にもデメリットは存在します。

今回は想定される3つのデメリットについて、わかりやすく解説します。

iDeCo(イデコ)は公的年金を補完する1人ひとりの「年金」

デメリットを挙げる前に、そもそもなぜ個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」というたくさんのメリットを持った制度を国が創設したのか。その背景を考えてみましょう。

「iDeCo(イデコ)」という愛称は、個人型確定拠出年金の英語表記「Individual-type defined contribution pension plan」がベースになっています。愛称の中に「P」という文字は入っていませんが、実は「Pension(=年金)」という単語こそが、「Individual(=個人)」と並んで、この制度の重要なポイントなのです。後ほど触れるデメリットの1つも、「年金」であることによって生じるものです。

日本の総人口1億2711万人のうち65歳以上の高齢者は3392万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は26.7%になりました(2015年時点、内閣府)。超高齢社会へと突入し、高齢化率がますます高まっていく日本にとって、医療や介護、年金といった社会保障制度の改革が深刻な国家的課題になっていることは言うまでもないでしょう。年金に関しては、公的年金の支給開始年齢を引き上げたり、支給額を減らしたりするといった対応なくしては、制度の持続可能性自体がおぼつかなくなってしまいます。

国としては、「国に頼るだけではなく、1人ひとりに老後に備えた資産形成をしっかりやっていってもらいたい」というのが本音ではないでしょうか。それを促すためには、優遇税制というメリットのある個人型確定拠出年金という既存の制度の使い勝手を高めたり、加入できる対象者の範囲を拡大したりする必要があります。

そこで、2017年1月から専業主婦や公務員、企業年金制度のある会社員にも拡充され、国民のほぼすべてが加入できる制度になったのです。その「リニューアル」を機に「iDeCo(イデコ)」という愛称も誕生し、普及促進に向けて動き始めたのです。

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」のデメリット

デメリット160歳まで引き出せない

公的年金の補完という役割を担って生まれたiDeCo(イデコ)であるがゆえに、利用者にとっての最大のデメリットは、使途が「Pension(=年金)」に限定されていること。

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」は、原則、60歳まで引き出せません。

iDeCo(イデコ)で積み立てた資産は、原則60歳まで引き出すことはできません。

お子さんの教育資金や住宅購入といった60歳以前の「現役世代」の間に発生することが予想される大きな支出を伴うライフイベントには、引き出しや解約が可能なNISAの制度をうまく活用するなど、iDeCo(イデコ)以外の方法で貯蓄や資産形成を行うことをおすすめします。

もっとも、60歳まで使うことができないというデメリットを逆手に取れば、お金に「老後専用」というラベルを付けて管理する(しかも途中で貼りかえることができない)ことにもつながります。

デメリット2自分で運用する必要がある

2つめのデメリットは「Individual(=個人)」というキーワードに起因するものです。月々拠出する掛金をどのように運用して老後資金を増やすか(減らすか)は、あくまで自分次第。

リスク(価格のブレ)が大きい株式中心のポートフォリオで運用すれば、リターンが大きく上振れする可能性もありますし、逆に大きく下振れする可能性もあります。一方で安全資産中心のポートフォリオでリスクを取らなければ、大きくマイナスになる可能性もない半面、リターンが大きく上振れることも期待できません。マーケットにフリーランチは存在しないのです。

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」は、自分で運用を行います。

投資経験のない方にとっては、投資信託の商品選びの段階で二の足を踏んでしまうケースも少なくないでしょう。

しかし、そもそも投資信託とは、一定のコスト(信託報酬)を払う代わりに、プロに運用を任せる手段。最近ではiDeCo(イデコ)のような数十年単位にわたる超長期運用に適した、「ターゲットイヤー型ファンド」というタイプの商品も登場しています。

これは退職する年齢(ターゲットイヤー)が近づいていくにしたがって、自動的に資産配分や許容するリスク量を調整していく商品です。若いうちは株式の比率を高め、リスクを積極的に取るポートフォリオで運用を行い、ターゲットイヤーが近づくにつれて次第に債券の比率を高め、低リスク資産中心のポートフォリオへと移行していきます。

ターゲットイヤー型ファンドなど、資産配分や商品の入れ替えのすべてをプロにおまかせできる「おまかせ型」の商品を選ぶことで、「自分で運用する必要がある」というデメリットを克服することができるでしょう。

デメリット3手数料がかかる

iDeCo(イデコ)には、制度に加入する時に支払う手数料と、毎月支払う口座管理手数料という2つの手数料が発生します。とくに口座管理手数料は毎月発生するコストですから、より安い金融機関を選びたいものですね。

特定非営利活動法人確定拠出年金教育協会が運営する「iDeCo(イデコ)ナビ」というウェブサイトを使えば、全国の金融機関の加入時・運用期間中の手数料を一覧表で比較することができます。税制優遇のメリットをより活かすためにも、よりコストの低い金融機関を選ぶことをおすすめします。

手数料がかかる

ここで紹介したとおりiDeCo(イデコ)には、「個人」で運用する「年金」であるがゆえのデメリットも存在します。これらをしっかりと理解したうえで、iDeCo(イデコ)を賢く使って資産形成や節税にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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