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さまざまなハードルを越えて、iDeCoの口座開設が完了し、運用をスタートさせた江崎さんですが、そもそも掛け金の金額や選択した商品、現在の運用状況などが今のままでいいのかわからない……とお悩みのご様子。そこで、iDeCoの商品や配分などについて具体的に見せていただき、高山さんがアドバイスをすることに。これからiDeCoを始めようという方は、ぜひ参考にしてくださいね。
vol.3はこちら「節税しながらお金を増やせる」iDeCoへの切なる思い
高山一恵(たかやま・かずえ)さん
ファイナンシャルプランナー、(株)Money&You取締役。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。女性のための、一生涯の「お金の相談パートナー」が見つかる場『FP Café』を運営。全国で講演・執筆活動・相談業務を行い、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。
江崎瀬里奈さん(仮名/44歳・公務員)
都内で公立小学校の先生を務める。シングルなので、将来の老後資金を自分で準備しなければならないと考えるようになったときにiDeCoに出合い、加入を決断。すでにiDeCo口座を開設し、運用をスタートしている。
ひふみ年金は主に国内株で、iFree NYダウ・インデックスはアメリカの株で運用している投資信託。国内株と海外株で運用している投資信託を分散して買っておけばバランスがよいかと思いまして(笑)。
毎月ひふみ年金に4,800円、iFree NYダウ・インデックスに1,200円の掛け金を払っています。配分割合にすると、「ひふみ年金80%:iFree NYダウ・インデックス20%」です。これっていかがでしょうか?
できれば国内、先進国、新興国の株・債券、国内・先進国の不動産の8資産に均等に投資しているバランスファンドがいいですね。自分であれこれ資産配分について気にする必要がないですし、資産も地域もかなり分散しているので、リスクを抑えた安定運用が期待できます。
通常バランスファンドは、コストが高めの商品が多いのですが、iDeCoでラインナップされている商品は購入手数料がかからず、投資信託を保有している間にかかる信託報酬というコストもかなり低めになっているんです。
毎月6,000円を15年間積み立てた場合、合計積立額は108万円なのに対し、運用資産残高は約168万円(節税額も含む)になります。
一方、毎月12,000円を15年間積み立てた場合、合計積立元本が216万円なのに対し、約338万円(節税額も含む)になります。
先ほど公務員の方の退職金が約400万円引き下げられているというお話をしましたが、もし毎月12,000円をiDeCoで積み立てれば、減額された退職金400万円のうち、約338万円もカバーできるというわけです。
60歳まで引き出せないことがネックで掛け金を月6,000円でスタートしましたが、節税や運用の成果などを考えると、掛け金は限度額の月12,000円に引き上げた方がいいと思いました。運用状況の見方もわかり、思ったよりも投資信託の運用状況がよかったので、やる気になりました! 掛け金も商品も変更しようと思います。
江崎さんは、iDeCoでは原則60歳まで引き出せないことが気になっていたようですが、発想を変えれば、強制的に老後資金が貯まるということ。節税や将来のことを考えると、限度額の月12,000円で積み立てた方がよいでしょう。また、職場でiDeCoの周知がされていないとのことだったので、職場へのiDeCo普及の推進や担当の方への教育なども積極的に行っていく必要があると強く感じました。
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