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2017年1月から公務員も加入できるようになった個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」。メガバンクや保険会社、地方銀行、証券会社など、さまざまな金融機関(運営管理機関)がiDeCoを取り扱っていますが、金融機関ごとに商品・サービスの中身はさまざま。何を基準に金融機関を選べばいいのでしょうか?
個人型確定拠出年金(iDeCo)への加入は、パートナーとなる金融機関を選ぶところから始まります。60歳までの長い付き合いとなる相手ですから、きちんとサポートしてくれる金融機関を慎重に選びたいですね。
自助努力型の年金制度であるiDeCoは、どんな商品を選ぶかによって運用成果や将来受け取れる金額に大きく差がつきますから、金融機関を選ぶ際に、まずチェックすべきは「商品ラインアップ」でしょう。扱っている商品数は、少ないところは3本、多いところでは数十本と、金融機関によって異なります。例えば、株式や債券だけではなく、J-REITと呼ばれる不動産投資信託も使って分散を図りたい、あるいは新興国の中長期の成長にも期待したい……といった自分の志向を踏まえて、購入したい商品がラインアップされているか、金融機関の品揃えをチェックしてみましょう。
個人型確定拠出年金(iDeCo)のサービスを手掛ける多くの金融機関では、WEB、コールセンター、対面(店頭)と3つのチャネルを提供しています。勤務先の年金とは異なり、分からないことや手続きなどは自分で対応する必要がありますから、それぞれのサービスレベルも見逃せないポイントになります。
多くの公務員の皆さんにとって、平日の日中に金融機関の店舗に足を運んで、窓口で相談や手続きをすることは容易ではないでしょう。したがって、iDeCo情報収集や取引はWEBサイトやコールセンターを利用するケースがもっとも多くなるのではないでしょうか。WEBでいえば、スマートフォンにも対応した画面設計になっているか、シミュレーション機能などの有無などに差がありますし、コールセンターについては、オペレータの対応や利用できる時間帯が各社異なり、平日の夜間や土日に対応してくれる金融機関も増えてきています。コストだけではなく、こういった「使い勝手」も重要なポイントです。
個人型確定拠出年金(iDeCo)のサービスを利用する際に、掛金または残高から継続して負担しなければならないコストは2種類あります。先ほど触れた投資信託の信託報酬(商品のコスト)と、口座管理料です。
「コスト」というと、金額が明確で、各社横並びの比較もしやすい「口座管理料」に注目が集まりがちですが、商品にかかる信託報酬にも注意を払いながら金融機関を選ぶことをおすすめします。
実際、信託報酬がどれくらいの額を負担するものなのかを試算してみましょう。 例えば毎月1万2000円ずつ、20年間積み立てる場合、運用成果や複利効果をまったく加味せずに単純に信託報酬を試算すると、残高に対する信託報酬率が0.5%の場合は約14万4000円、同様に1.0%の場合は約27万9000円と、当然ながら大きな差が開きます。この費用は毎日少しずつ投資信託から自動的に差し引かれるため、大きな金額を負担しても気づきにくいので、特に注意が必要なんです。特に60歳までの期間が長い、20代、30代の方ほど、長期にわたって発生する信託報酬に気を配る必要があります。
もっとも、信託報酬が安ければどんな商品でもいい訳ではありません。何を投資対象にした商品か、過去のリスクやリターン水準が自分の許容できるものか、など、注目すべき要素はさまざまです。
言うまでもなく、資産運用の基本は「分散投資」です。経済情勢の変化やご自身のリタイアメントまでの期間に応じて、資産配分の変更をしていく必要があります。最近では、「アセットアロケーション型ファンド」「ターゲットイヤー型ファンド」と呼ばれる商品も多数登場しています。こうした商品には、マーケットの環境変化や退職までの年数に応じて、投資対象資産の組入れ比率をコントロールする機能が備わっています。
たしかに単一の資産クラスに投資するパッシブファンドと比べれば、信託報酬は割高かもしれませんが、コストを支払って資産配分の決定やメンテナンスをプロに任せるのも、1つの方法ではないでしょうか。
商品ラインアップ、サービスチャネル、コスト……選ぶポイントは3つとはいえ、数ある金融機関のホームページに1つずつアクセスして、これらを調べるのは気の遠くなる作業ですよね。特定非営利活動法人確定拠出年金教育協会が運営する「iDeCoナビ」というウェブサイトには、各社のサービスを簡単に比較する機能があります。商品や信託報酬の比較ほか、都道府県別の検索もできますので、ぜひアクセスして、あなたに合った金融機関を探してみてください。
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